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歳末別時念仏(一つ火)のお知らせ

師走、何かと気ぜわしいこの頃となりましたが、皆様におかれましたはご健勝のことと存じます。
以前にお話いたしました『歳末別時念仏会~一つ火~』でございますが
本年より時間が変更になりましたのでお知らせ申し上げます。

『歳末別時念仏会~一つ火~』  
平成29年12月8日(金)17時より
皆様にもお参りしやすくと考え1時間早く厳修致します。
是非、お参りください。

歳末別時念仏会 ~~ 一ツ火 ~~

一、「二河白道の図」

一遍上人は三十三歳の時、信濃の善光寺にお籠(こも)りをして、唐の善導大師の説いた「二河白道(にがびゃくどう)の図」を感得して自ら描き、それを本尊にしました。右側に描かれている仏さまはお釈迦様、左側が阿弥陀様です。お釈迦様のおられる右側がこの世、左側は阿弥陀様のおられる極楽浄土を表わしています。両方の仏さまの足元に白い筋が一本通っています。これが白道です。二河というのは白道をはさんだ二つの河、左側は炎の河、右側が水の河が描かれています。この二つの河は貪(むさぼ)り・怒(いか)りといった人間の欲望を表わしています。その細く白い道をお釈迦様の「ためらわずその道を行きなさい」という声に送られ、阿弥陀様の「心配ないからこっちへ渡って来なさい」という迎えの声に励まされて、白道を渡り、そして極楽浄土に往生するという様子が描かれています。

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中央に一遍上人が描かれています
「二河白道図」
江戸時代・遊行寺所蔵

二、「報土入り」

歳末別時念仏会(さいまつべつじねんぶつえ)は「不断念仏」ともいわれるもので浄土教では古くから行なわれています。期日を定めてその間、念仏三昧に入るので別時念仏会といわれています。
歳末別時念仏は時宗宗祖一遍上人の時代から重要な修行として今日まで続いているのです。年の暮をむかえ人生の無常を体感して、極楽浄土への往生を願った修行です。
(本年より開催日を十二月八日に変更いたしております)
本堂内を二河白道図のようにしつらえて、報土(ほうど)(極楽浄土)と穢土(えど)(この世)とに区画しています。
「報土入り」を希望した人たちが次々に交代して現世から極楽浄土へ参入し、浄土内に坐している導師(どうし)から十(じゅう)念(ねん)を授(さず)かり極楽往生を成しとげるという行事です。
ふたたび現世に立ちかえって衆生済度に奉仕する。というのがこの報土入りの中心です。

三、「一ツ火」

続いて一ツ火(ひとつび)の式が行なわれます。本堂の灯火をすべて消して暗やみにします。お釈迦様の死後、遠くへだたった末法(まっぽう)の時代はお釈迦様の教えも滅(めっ)すると経典(きょうてん)に書かれています。暗やみはその末法の教えの灯の消えた様子を現しているのです。
その闇の中で、火打(ひうち)石(いし)で新たに火を切り出すのです。その火を堂内の諸灯(しょとう)に点火します。これはふたたび明るい世界によみがえる様子を表しています。
末法の世に諸々の教えが滅びても、お念仏の教えはますます盛んになると教えるのです。


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